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論語 学而第一(001~016)

学而第一

1 子曰學而時習之章 001(01-01)


子曰。學而時習之。不亦説乎。有朋自遠方來。不亦樂乎。人不知而不慍。不亦君子乎。

いわく、まなびてときこれならう。よろこばしからずや。ともり、遠方えんぽうよりたる。たのしからずや。ひとらずしていきどおらず、くんならずや。

先生 ――「ならってはおさらいするのは、たのしいことだね。なかまが遠くからくるのは、うれしいことだね。知られなくても平気なのは、りっぱな人じゃないか。」(魚返善雄『論語新訳』)

2 有子曰其爲人也孝弟章 002(01-02)

有子曰。其爲人也孝弟。而好犯上者。鮮矣。不好犯上。而好作亂者。未之有也。君子務本。本立而道生。孝弟也者。其爲仁之本與。

有子ゆうしいわく、ひとりや孝弟こうていにして、かみおかすをこのものすくなし。かみおかすことをこのまずして、らんすをこのものいまらざるなり。くんもとつとむ。もとちてみちしょうず。孝弟こうていなるものは、じんもとるか。

有先生 ――「人がらがすなおなのに、目上にさからうものは、まずない。目上にさからわないのに、むほんをするものは、あったためしがない。土台がだいじだ。土台あっての道だ。すなおということが、人の道のはじまりだな。」(魚返善雄『論語新訳』)

3 子曰巧言令色章 003(01-03)

子曰。巧言令色。鮮矣仁。

いわく、巧言こうげんれいしょくすくなじん

先生 ――「おせじや見せかけに、ろくなものはない。」(魚返善雄『論語新訳』)

4 曾子曰吾日三省吾身章 004(01-04)

曾子曰。吾日三省吾身。爲人謀而不忠乎。與朋友交而不信乎。傳不習乎。

そういわく、われたびかえりみる。ひとためはかりてちゅうならざるか。朋友ほうゆうまじわりてしんならざるか。ならわざるをつたうるか。

曽(ソウ)先生 ――「毎日ふりかえることが三つ。人にまごころをつくしたか。友だちにすまないことはないか。教えは身についているか。」(魚返善雄『論語新訳』)

5 子曰道千乘之國章 005(01-05)

子曰。道千乘之國。敬事而信。節用而愛人。使民以時。

いわく、せんじょうくにおさむるには、ことつつしみてしんあり、ようせっしてひとあいし、たみ使つかうにときもってす。

先生 ――「大きなかまえの国ほど、まともな政治をし、つましくなさけぶかく、人はひまひまに使うこと。」(魚返善雄『論語新訳』)

6 子曰弟子入則孝章 006(01-06)

子曰。弟子入則孝。出則弟。謹而信。汎愛衆而親仁。行有餘力。則以學文。

いわく、弟子ていしりてはすなわこうでてはすなわていつつしみてしんあり、ひろしゅうあいしてじんしたしみ、おこないて余力よりょくらば、すなわもっぶんまなべ。

先生 ――「若い人は、うちではすなお、そとでもおとなしく、よく気をくばり、みんなにやさしくして道をまなぶこと。そのうえひまがあれば、学問にふりむける。」(魚返善雄『論語新訳』)

7 子夏曰賢賢易色章 007(01-07)

子夏曰。賢賢易色。事父母能竭其力。事君能致其身。與朋友交。言而有信。雖曰未學。吾必謂之學矣。

子夏しかいわく、けんけんとしていろえ、父母ふぼつかえてはちからつくし、きみつかえていたし、朋友ほうゆうまじわり、いてしんらば、いままなばずとうといえども、われかならこれまなびたりとわん。

子夏 ―― 「色よりはチエを買い、親のためには苦労をいとわず、国にはすすんで身をささげ、友だちづきあいに、ウソをつかなければ、無学な人でも、学問があるというわけさ。」(魚返善雄『論語新訳』)

(*) 子夏 … 姓は卜、名は商、字は子夏。孔子より44歳年少。孔門十哲のひとり。

8 子曰君子不重則不威章 008(01-08)

子曰。君子不重則不威。學則不固。主忠信。無友不如己者。過則勿憚改。

いわく、くんおもからざればすなわあらず。まなべばすなわならず。ちゅうしんしゅとし、おのれかざるものともとすることかれ。あやまちてはすなわあらたむるにはばかることかれ。

先生 ――「上の人は軽いと押しがきかぬし、学問も練れない。まごころを第一とし、つまらぬ人とつきあわぬこと。あやまちはアッサリあらためよ。」(魚返善雄『論語新訳』)

9 曾子曰愼終追遠章 009(01-09)

曾子曰。愼終追遠。民徳歸厚矣。

そういわく、わりをつつしみ、とおきをえば、たみとくあつきにせん。

曽先生 ――「とむらい供養のしかたで、気風がずっとよくなるものだ。」(魚返善雄『論語新訳』)

曾子 … 姓は曾、名は参、字は子輿。魯の人。孔子より四十六歳年少の門人。『孝経』を著した。

10 子禽問於子貢章 010(01-10)

子禽問於子貢曰。夫子至於是邦也。必聞其政。求之與。抑與之與。子貢曰。夫子温良恭儉譲以得之。夫子之求之也。其諸異乎人之求之與。

きんこういていわく、ふうくにいたるや、かならまつりごとく。これもとめたるか、そもそもこれあたえたるか。こういわく、ふうおんりょうきょうけんじょうもっこれたり。ふうこれもとむるや、ひとこれもとむるとことなるか。

子禽(キン)が子貢にたずねる、「うちの先生はどこの国にいっても、きっと政治にかかりあうが…。たのむのかな、それともたのまれるのかな。」子貢 ―― 「先生はオットリとへりくだっていてそうなるんだ。先生のやりかたはだね、こりゃどうも人のやりくちとはちがってるね。」(魚返善雄『論語新訳』)

(*)子禽 … 姓は陳、名は亢。子禽は字。孔子より40歳年少の門人といわれているが、孔子の直弟子ではなく、子貢の弟子と思われる。
子貢 … 姓は端木、名は賜。子貢は字。孔子より31歳年少の門人。孔門十哲のひとり。弁舌・外交に優れていた。

11 子曰父在觀其志章 011(01-11)

子曰。父在觀其志。父沒觀其行。三年無改於父之道。可謂孝矣。

いわく、ちちいませばこころざしちちぼっすればおこないる。三年さんねんちちみちあらたむることきは、こううべし。

先生 ――「ふだん父の気もちをくみ、死んだらやりくちを思い、三年そのしきたりを変えないのは、親孝行といえる。」(魚返善雄『論語新訳』)

12 有子曰禮之用和爲貴章 012(01-12)

有子曰。禮之用。和爲貴。先王之道斯爲美。小大由之。有所不行。知和而和。不以禮節之。亦不可行也。

有子ゆうしいわく、れいようたっとしとす。先王せんおうみちこれす。しょうだいこれるも、おこなわれざるところり。りてするも、れいもっこれせっせざれば、おこなうべからざるなり。

有先生 ――「きまりにも、なごやかさがだいじ。昔のお手本も、ここがかなめだ。万事がそうなっている。だが例外もある。なごやかにするだけで、しめくくりがないのも、うまくいかないものだ。」(魚返善雄『論語新訳』)

(*)有子 … 孔子の門弟。姓は有、名は若、字は子有。

13 有子曰信近於義章 013(01-13)

有子曰。信近於義。言可復也。恭近於禮。遠恥辱也。因不失其親。亦可宗也。

有子ゆうしいわく、しんちかければ、げんむべきなり。きょうれいちかければ、恥辱ちじょくとおざかる。ることしんを失わざれば、たっとぶべきなり。

有先生 ――「取りきめも、すじがとおっておれば、はたす見こみがある。へりくだりも、しめくくりがあれば、見っともなくない。たよるのも、相手をまちがえねば、たのみがいがある。」(魚返善雄『論語新訳』)

14 子曰君子食無求飽章 014(01-14)

子曰。君子食無求飽。居無求安。敏於事而愼於言。就有道而正焉。可謂好學也已。

いわく、くんしょくくことをもとむるく、きょやすきをもとむるし。ことびんにしてげんつつしみ、有道ゆうどういてただす。がくこのむとうべきのみ。

先生 ――「人間は、たべものにもこらず、よい家にも住まず、しごとは手ばやくて口をつつしみ、人格者を見ならうことだ。それでこそ学問ずきといえる。」(魚返善雄『論語新訳』)

15 子貢曰貧而無諂章 015(01-15)

子貢曰。貧而無諂。富而無驕。何如。子曰。可也。未若貧而樂。富而好禮者也。子貢曰。詩云。如切如磋。如琢如磨。其斯之謂與。子曰。賜也。始可與言詩已矣。告諸往而知來者也。

こういわく、まずしくしてへつらうことく、みておごることきは、何如いかんいわく、なり。いままずしくしてたのしみ、みてれいこのものかざるなり。こういわく、う、「せっするがごとく、するがごとく、たくするがごとく、するがごとし」と。これうか。いわく、や、はじめてともうべきのみ。これおうげて、らいものなり。

子貢 ―― 「こまってもこびず、もうけてもいばらないのは、どうです…。」先生 ――「よろしい。だがこまっても苦にせず、もうけてもしまりのあるのがましだ。」子貢 ―― 「うたに、『切ってはこすり、ほってはみがく、』とあるのがそのことですか…。」先生 ――「賜くんとだけは、うたのはなしができるわい。かれは打てばすぐひびくやつじゃ。」(魚返善雄『論語新訳』)

16 子曰不患人之不己知也章 016(01-16)

子し曰いわく、人ひとの己おのれを知しらざるを患うれえず、人ひとを知しらざるを患うれうるなり。
いわく、ひとおのれらざるをうれえず、ひとらざるをうれうるなり。

先生 ――「人に知られなくてもこまらぬが、人を知らないのはこまる。」(魚返善雄『論語新訳』)

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